自己破産できないケース、向かないケースその2
今回も、前回に引き続いて自己破産できないケースや向かないケースについて、ご紹介していきます。
1.負債の多くが非免責債権
自己破産をすると、すべての負債が免責されると思われているケースもありますが、実は「非免責債権」があります。
非免責債権とは、自己破産をしても免除されない債権です。たとえば税金や養育費、悪意によって加えられた不法行為にもとづく損害賠償請求権、故意重過失によって加えられた身体生命に対する不法行為にもとづく損害賠償請求権などは、免責の対象になりません。支払えない負債の多くがこういった非免責債権の場合、自己破産をしても解決できません。
2.重大な免責不許可事由がある
前回の記事でも紹介しましたが、自己破産には免責不許可事由があります。
7年以内の自己破産以外にも免責不許可事由があり、たとえば浪費やギャンブル行為等は免責不許可事由になりますし、一部の債権者にのみ支払いをするという偏頗弁済、財産隠し行為なども免責不許可事由となります。
こういった免責不許可事由があっても裁量免責によって免責される可能性が高いです。裁量免責とは、免責不許可事由があっても裁判官の裁量によって免責を認めてもらえる制度です。ただ、重大な免責不許可事由や2度目の自己破産で前と同じ免責不許可事由がある場合などには、免責を受けられない可能性があります。
そのような場合には、自己破産すべきかどうか、慎重に検討する必要があります。
3.資格制限される職業
自己破産をすると、一部の職業や資格が制限されます。免責を受けるまでの間、その職業の仕事ができなくなる可能性があるので、該当する方の場合、自己破産すべきかどうか、またそのタイミングを検討すべきです。
以上が自己破産できないケースや向かないケースです。自己破産ができない場合、他の手段による解決方法を検討すると解決につながります。お悩みの場合、一度司法書士までご相談下さい。